Windows Server 仮想化テクノロジ入門


  • Windows Server 2012 がリリースされた今となっては古い部分もあるかもしれないが、仮想化に関して総合的な情報を提供しており、十分参考になる内容だった。
  • 文章は平易に努めて書かれている。
    • たとえば、ハイパーバイザー型であってもホストと表現する理由などが説明されている。
    • Hyper-V のハイパーバイザーの exe ファイルはどこにあるのかなど、他の Hyper-V 本を読んで気になっていた事が説明されているのも嬉しかった。
    • VMBus がデバイスマネージャーの画面キャプチャとともに説明されている。
    • Windows 7 に統合サービスが組み込み済みであることを、ダイアログの画面キャプチャまで使って説明。
    • 接続がうまくできない場合のキャプチャ画像など、各画面について細かく掲載されているのも助かる。
  • Linux仮想マシンについても、SUSERHEL で解説されている。
  • 仮想マシンのフェールオーバーにはリセットをともなうことなど、誤解しがちな部分も説明されている。

700ページある書籍だが、親切にまとめられているので、Windows Server 管理者なら持っておいて損はないはず。

ただし、ネットワーク基盤となる Active Directory, DNS, DHCP, 証明書(PKI) 等に関しては詳しく説明されていないので注意が必要。

また、Windows Server の仮想化に関してかなり包括的な内容ではあるが、サーバーのサイジングや、RD セッションホストの IP の仮想化機能など、説明されていない内容もある。

目次

序文
本書について

第1章 はじめに ― 仮想化とは
第2章 サーバーの仮想化 ― Hyper-V
第3章 プレゼンテーションの仮想化 ― リモートデスクトップサービス(RDS)
第4章 デスクトップの仮想化 ― Windows Virtual PC
第5章 デスクトップの仮想化 ― Microsoft Enterprise Desktop Virtualization(MED-V)
第6章 デスクトップの仮想化 ― Microsoft VDI
第7章 アプリケーションの仮想化 ― Microsoft Application Virtualization(App-V)
第8章 ストレージの仮想化 ― Virtual Hard Disk(VHD
第9章 仮想化の管理 ― System Center

付録A 基本のネットワーク基盤の作り方
付録B Mini-Setup自動化のための応答ファイルのサンプル

あとがき
索引


ちなみに、こちらは無料で入手可能。